怪物クン

ロッテ・佐々木朗希投手のファンブログです

復帰戦、関連

 

吉井監督、朗希復帰戦、試合後

「順調だと思います。久しぶりに投げたので、感覚がつかめなかった部分はあったと思う。それは次回、つかめるはず。

ちょっと例えが変かもしれませんけど、長い間、旅行に出ていて自分の家の居間でくつろごうと思っても、ちょっと居心地悪い感じがすることってあるじゃないですか。今日はそういう感じかなと思います」

 

吉井監督、9月14日

「ここからは短期決戦みたいな試合が続いていく。ビッグイニングを狙うような時間はないと思うので、よりスモールベースボールになっていくんじゃないかと思います」

バントやチームの強みでもある走力をより生かし、接戦を勝ち切るつもりだ。

 

「先発ピッチャーは、大丈夫かな?と思うときは早く代えるかもしれない」

今季は先発投手に責任を課す意味でも、最低でも5回、6回までは続投させる試合が多かったが、

「雨が降ってきてから傘を差すんじゃなくて、振る前に傘を差すみたいなことになるかもしれないですね」

大量失点の前に早めに交代する采配も示唆した。だが、

「種市、小島、朗希みたいなチームの柱になっていく選手は」

と名指しした上で、

「苦しいところも頑張ってもらうかもしれない」

と終盤までマウンドに立つ期待も寄せた。

 

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(略)指揮官は怪物ルーキーの1年目から長期的プランに基づいて、じっくりと育ててきた。

周囲からなんと言われようともその方針を崩さず貫き通していただけに、まさかの戦線離脱となったときには誰よりも落胆の表情を見せた。その夜は眠りにつくことができないほどだったという。

 

診断結果が出たのは7月25日のことだった。前夜にZOZOマリンスタジアムでのホークス戦に先発した佐々木朗希は6回表2死を奪い、打席に栗原陵矢外野手を迎えた場面で左脇腹に違和感を覚えた。

左邪飛に仕留めてこの回を三者凡退に抑えると降板。試合は1点ビハインドの最終回に角中勝也外野手がホークスの絶対的守護神であるロベルト・オスナ投手からサヨナラ2ランを打つ劇的な幕切れとなったが、いつもなら誰よりも早くベンチを飛び出して喜ぶ佐々木朗希はどこか浮かない表情を浮かべていた。

 

(略)「診断はあくまで診断。全治に関しては幅が広がったので、もしかしたらという思いがあった。

脇腹はピッチャーならほとんど誰もが痛めたことがあると思う。ワシも近鉄での現役時代にやっている。そのときもそこまではかからなかった。

本人やいろいろな人と話をしてみた感じからも、もっと早く戻れるのではないかと思っていた」

 

前半戦の最後の頃から、指揮官は佐々木朗希の投球フォームに異変を感じていた。

 

「上半身で投げているように見えた。下半身を使い切れていなかった。オールスターのときのピッチングもテレビで見ていたけど、重心が高いなあと思っていた。ただ、そのときはオールスターの独特の雰囲気もあるのかなという感じで考えていた」

 

フォームの微妙な変化には気づきながらも一手打つことができなかったことへの後悔はずっと頭に残っている。

復帰登板が無事に終わり、監督室に戻った指揮官はまず、無事に復帰できたことを喜びながらもポツリとこう口にした。

 

「そういう意味では兆候はあったのかもしれない。未然に防ぐことができなかったのは申し訳ない」

 

そんな想いがあるからこそ、復帰までは慎重にプロセスを踏んできた。

 

(略)二軍調整を挟まずに一軍登板へという道を決断したのも吉井監督だ。

 

「あそこまでの仕上がりであれば、二軍での調整を挟まずに投げてもいっしょと判断した。彼の場合、当然だけど二軍戦で投げると、もちろん抑えて戻ってくる。それ以上、なにもない。

1年以上投げていないとか、肩、ひじに問題があって、そこの部分を確認しないといけないのならそのプロセスを踏まないといけないけど、そういうわけでもない。

それらすべてを踏まえてワシが決断し、ワシが責任をとる。そのへんの責任の所在は明確にした中で決めた」

 

全幅の信頼を寄せているがゆえの決断。佐々木朗希が復帰登板で初回に見せた161キロのストレートは、その決断の答えだった。

 

佐々木朗希本人も早期復帰登板を果たすことをモチベーションとしてトレーニングを重ねていた。

一軍の試合もテレビ観戦。

 

「しっかりとゲームは見ていました。とくに相手チームを見ながらのイメージだったり、そういうところはなるべくなくさないようにはしました。

試合を見て夜10時ぐらいに寝て、朝早く起きる。そんな日々でした」

 

ただ、やはり試合に投げられない日々は彼にはあまりにも単調であり、刺激が足りなかった。復帰登板が明確になってからは表情が一気に晴れやかになっていった。

 

「後半戦、大事なときにチームの力になれなくて悔しい想いはあった。その中で、どうにかできる最善を尽くしながらリハビリをしてきました。

これから大事な試合が続くので最後まで戦ってチームに貢献したい」

 

試合後、メディアの前に現れた佐々木朗希は力強く言い放った。

背番号「17」が抹消となってからチームは勢いを失った。

(略)やはりこの男の存在は計り知れない。

 

試合後、吉井監督はわざわざ選手ロッカーに足を運び、佐々木朗希に言葉をかけ、状態を確認。「次も頼むぞ」と期待を込めた。

復帰戦こそ負けが記録されたが、ここからマリーンズが奇跡の道を突き進んでいくためには、やはり日本が誇る剛速球右腕の存在は欠かせない。

 

「すごく声援が力になっているので、最後の最後まで声援を送っていただけたらなあと思っています」

 

マリーンズの選手応援歌を口遊むほどファンの応援が大好きな佐々木朗希は、ファンに声援の後押しを呼びかけた。

バッファローズ独走の中、厳しい戦いが続く2023年のペナントレース。一軍マウンドに帰還した背番号「17」がマリーンズファンの大声援を力に変え、最終盤にとんでもないドラマを見せてくれそうな予感が漂う。

(梶原紀章)