怪物クン

ロッテ・佐々木朗希投手のファンブログです

7月5日 対西武戦関連

 

吉井監督は「向こうの狙い球が真っすぐだというふうに朗希は思ったのだと思う。本当はもっと真っすぐを投げてほしかったんですけど。ああいう投球はもうちょっと年を取ってからでいいと思います」と苦笑いした。

 

変化球が多めになったようだが、立ち上がりに外崎、源田と初球のストレートを連続で安打にされたことから従来のようなストレート主体の配球からスライダー中心に大胆に切り替えたもよう。

佐々木朗希も「あんまり作戦的なことになるので言えないですけど」としながらも、「初回良い攻撃をされたので、相手の反応を見ながら組み立てることができたかなと思う」と話した。

 

この日の2回には4個目の三振を奪って両リーグ一番乗りで今季100奪三振に達したほか、6回には規定投球回に再び達して登板前1・69だった防御率も1・50としてトップに返り咲いた。

 

 

「先制されたくない。全員三振を取るつもりだった」

吉井監督は「三振が取れる投手で、ゴロも多い。今のところ文句のつけようがないですね」と手放しでたたえた。「完封は、まだシーズンが長いので、そのうちやってもらいます」

次回もいい投球がしたい。体が動けば長いイニングを投げたい」と佐々木。

いつもと少し違う技巧派の投球で勝利に導いた右腕は、輝きを増すばかりだ。

 

 

走り始めたばかりでエンジンが暖まりきらなくても、ここでギアを一段上げられるのが佐々木朗希のすごさだ。中軸に三者連続三振。そうやすやすとは先制点を与えなかった。

 

外崎の迷いのない一振りに西武打撃陣の狙いを見た捕手・佐藤都志也は「真っすぐに対してすごく(振りに)きているな」であるならばと、二回以降は相手の裏をかくようなモデルチェンジを佐々木朗希に施した。

「今までにないくらい変化球を使った」(佐藤都)

 

 

主体を直球から変化球に変えた。全投球数に対する変化球率は今季最多の63.2%で、フォークの数が直球を上回ったのも初。スライダーも今までは右打者の外角を狙った140キロを超える速い軌道だったが、内角から速度を落とした137、8キロも計8球駆使。ストライクゾーンでカウントを整える、新たな朗希投球術も交えた。

要所では160キロを超える直球も脅威だが、同じ球種での緩急で大きく幅を広げた。

 

5月5日に右手中指のマメの影響で、約3週間、登板間隔が空いた責任も感じている。

「投げられなかった期間があるので、1試合1イニングずつでも多く投げられるように」。

イニングはより長く、失点はより少なく、勝利に導く。エースの自覚たっぷりに、研究し尽くす相手を上回り続ける。

 

 

長いイニングを投げられた要因を問われた吉井監督は「うまく変化球で球数を減らせたのが良かった」。

バッテリーの工夫が奏功したことは認めたが、誰よりも佐々木朗希の直球のポテンシャルと魅力を知るからこそ二言付け加えた。

「本当はもっと真っすぐを投げてほしかったんですけど。ああいう投球はもうちょっと年取ってから」

 

 

いきなりヤマ場を迎えた。一回、初球を二塁打にされ、暴投も絡んで無死二、三塁。

中軸を迎えると「全員、三振を取る気持ちで投げた」とギアを一段上げた。

マキノン、中村をスライダーで連続三振に仕留め、高木にはフォークを振らせた。三者連続の奪三振でピンチを脱し、その後は八回までしっかりとゼロを並べた。

 

奪三振数は今季11試合目で両リーグトップの107個。こだわりはないと話すが、ここぞの場面で狙い澄ました三振が光る。八回には源田から161キロで見逃し三振。

捕手の佐藤都志也は「ギアを上げるとすごい。真っすぐの質、フォークの落差も全然違う」と驚く。

 

6月11日以来の6勝目。防御率も1点台維持するが、慢心はない。「対策を上回れるように投げたい」。昨季苦しんだ夏場以降にどんな投球を見せるか。

 

 

ピンチでギアを上げれば完全無欠の投手に変貌する”令和の怪物”。165キロ右腕を追いかけるメジャースカウトは「初回のピンチではすべて三振を狙っての3奪三振。持っている球種はもちろん、ここぞという場面で彼の闘争心が強く表に出てくるようになってきた。それこそが勝負に勝つために最も大事なエネルギー。今の彼の闘争心は打者を圧倒している」と評価。そのメンタル・コントロールを絶賛していた。

 

 

西武は佐々木朗希を相手に、初回の絶好機を逃した。初回、無死二、三塁に。ところが、そこからクリーンアップが三者連続空振り三振に封じられた。

 

佐々木朗希とは今季初対戦だった。マキノンはスライダー、中村はスライダー、高木はフォークに空を切らされた。160キロ超を誇る投手が、ここぞで落差の大きな球を連発してくる。データ上でも、得点圏でフォークが増えるのは想定されていたが、浮き球がなく、高精度で低めに決められると攻略は難しかった。

 

相手バッテリーの徹底さにやられた格好だ。初回初球で直球を捉えた外崎に対しては、2打席目以降は徹底した変化球攻め。外崎は「1打席目は真っすぐを、しっかり仕留めようと」と、狙い的中のスタートだった。だが、3回先頭の第2打席は7球全てスライダーまたはフォークで、真っすぐはなし。最後はフォークに空振り三振を喫し、「真っすぐ張って、変化球となると…」と、攻略の難しさを口にした。

 

松井監督は「やはり、佐々木くんみたいな、いい投手は得点圏に行ってからなかなか難しい。早いカウントで捉えないと。追い込まれると、厳しくなってくる」と話した。

「真っすぐにしろフォークにしろ、あそこまでしっかり低めに、しっかり腕を振られるとなかなかチャンスがないのかなというぐらいの投球だったんじゃないかと思いますね」

 

 

リーグ最難関の投手のひとりといえる佐々木朗希に食らいつき、何とか今後への活路を見いだせるか。

1軍昇格したばかりのドラフト1位、蛭間外野手はもちろん、初対決になる。

2日の試合前、次週に佐々木朗希と対戦する可能性があることを尋ねると「まじっすか!?まじっすか!?」と驚きながら、表情が輝いた。

ポジティブで、チャンスの場面で燃えるタイプ。「いや、もう、日本一の投手じゃないっすか。ただただ、もう、すごいと思いますね」

 

新外国人のマキノン内野手は「今シーズン、1回も当たらないで終わるのがベストだと思うんですけど」とジョークのように笑っていた。

「真っすぐで100マイル(約161キロ)投げる投手は向こうでは多いので、メジャーの平均的なところに位置すると思うんですけど、あれだけのフォークボールを投げる投手はメジャーでもなかなかいない。いまパッと浮かばないくらい」と、佐々木朗希の能力を絶賛する。

マリナーズのカスティーヨは身長も同じくらい。97~98マイルの速球と、とてもいいチェンジアップを投げるので、そういう意味では似ているかもしれない」とイメージし、「球界でも1、2を争う素晴らしい投手と対戦できるのはひとつの楽しみでもあるので、対戦を楽しみたい気持ちもあります」

 

 

初回にいきなり無死二、三塁と攻められたが、中軸を三者連続空振り三振に仕留めて勢いづいた。11Kでシーズン自己最多タイ7度目の二桁奪三振をマークするなど、2回以降は三塁を踏ませなかった。

規定投球回にも再到達。トップ独走の107奪三振とともに、防御率1・50勝率7割5分でもトップに立った。

 

今季11試合、65回1/3で100奪三振に到達した。昨年の100奪三振到達は10試合、65回2/3で、試合数では1試合遅いものの、投球回数では1/3回早かった。

リリーフのサファテ(ソフトバンク)が15年に62回1/3、17年に64回で100奪三振に到達しているが、先発だけで二度もこんなに早く記録したのは佐々木朗希しかいない。昨年は65回2/3で100奪三振を記録しながら、その後は63回2/3で73奪三振とペースダウン。今季はどこまで快ペースを守れるか。