この試合で何が楽しみだったって、解説。
今季初ビジターだったんですね、朗希ね。やっぱり解説ってホーム球団寄りになるから、マリンでは褒められるけど、いわゆる敵対している人、みたいな方の、今の意見も聞きたかったんです。
この日は小川博文さん。
いちばん印象的だったのは朗希が降板後、投球内容を聞かれて。
「いやもう非常に、逆に良かったんじゃないですか、悪いなりにと言いますか。
でもみんなの、求めてるものが高すぎて、ねえ。
逆に、ふつうであれば素晴らしいピッチングですよ。よく粘ったという、ピッチングじゃないですか。でも、やっぱり、佐々木朗希投手に対する期待度っていうのはもっと、果てしなく高いんですよ。
まあでも本当に良かったと思います。悪いなり、悪いなりって言い方ちょっとどうかなと思うんですけど、うまくまとめたなって感じはしますよね」
藤原恭大選手のタイムリー談話(「朗希が頑張っているので、なんとかランナーを返せて良かったです」)を聞いて
「後ろ姿ね、見てね、やっぱり野手陣もなんとか!っていう思いにさせますよね」
6回、3アウト目を取った打者に対する最後のフォークボールについて。
「この落ちは凄いですよ。肩のラインからベース盤、下まで落ちましたからね。もうあの表情とかね、やっぱり打たれた悔しさがあったんでしょうね。吠えてましたからねえ。
でもいいですよね。そういうなんか、そういうのってなんか、大事だと思いますよ」
みんなの求めているものが高すぎて、というのはとても共感します。朗希自身も求めているものは高いでしょうけど、完全試合にしろ球速にしろ、本人が求めているのとは違った部分に期待をされている感じはしますね。
でもすごいなと思ったのは、いつかのインタビューでの言葉なんですが、
Q.完全試合の後から、160キロの直球が狙われる場面が増えた
「先発ピッチャーに求められるのは1年間投げ抜くこと。その中で安定した成績を残し、チームにチャンスを与え続けること。
だけど、完全試合の後はファンの方がそれ以上のことを求めていると感じた。
試合の勝ち負け以上にプレーで魅了するのも、プロ野球選手の役目。状態の良いときは両立できるけど、三振が少なくて抑えられることもあれば、三振が多くても点を取られることもある。
何を大事にするべきかは難しかった。自分の中でチームを勝たせることが一番だと思い、投げるようにした」
Q.これからどんな投球で抑えていきたいか
「打たせて取るタイプでもないし、来年は対策もされる中で、三振をどれだけ取れるかも分からない。自分の持っている球種に磨きをかけて、自分のボールをより良いものにすることを大事にしたい」
全部太字にしたいくらいですが、読みにくいのでやめておきます笑
冷静で聡明だなと思いました。どちらの立場にもなって物事を考えられる。心が優しい証ですね。それでいて一本、芯が通っている。
その芯のブレとズレのなさが見ている人の心を熱くする。解説を聞いて感じました。
藤原恭大選手ヒーローインタビュー
「朗希が頑張ってくれていたので、なんとか点を取れるようにという気持ちで打席に入りました」
「チームの雰囲気はすごく良かったので、負けててもベンチも盛り上がっていたので、点を取れる雰囲気はすごくありました」
「大塚コーチと浅いフライでも行くぞという声掛けをしていたので、いい走塁ができたかなと思います」
「後ろから見ていて、(165キロを)けっこう連発してたので、ほんとにすごいなというか、いっしょの人間じゃないのかなというくらいのすごい人なので、今日は点を取られてしまったんですけど、いつも助けてもらってるので、今日は援護できて良かったなと思います」
試合後の吉井監督
「6回で終わりかなと思ったけど、7回まで粘ってくれて助かりました。あそこはいちばんキツイところ。上位(打線)に回ってくるところで、そこで(相手の勢いを)静めて欲しいので、リリーバーと朗希のへばりかけと、どっちが強いかなと考えた。朗希の修行も兼ねて行ってもらいました」
朗希への絶大な信頼度はうれしいけど、いいのかそんなこと言って笑
ただ、オリックスが同点に追いつかれてからすぐ交代だったので、驚いたんですね。その回終了も待たずだったので。でもオリファンの言葉とか見るに、吉井監督の朗希に対するほどの信頼はないみたいですね。
目に見える結果によって得る信頼って、簡単じゃないですもんねい。きっちり応えられるのがすごいし、本当に良かった。
今後は115球まで球数制限を延ばすと明言されたそうで。ほほーうほほーう。
試合後、朗希
「7回までいけて良かった。(5回)以降は勝ち越しを許さないように気持ちを入れました」と投球を振り返り、大谷と球速で並んだことには、「いや、まあ、特に…」
「球速(表示)の上も下もバラバラだった。正確ではないので、打者の反応を大事にしながら投げました」
オリックスの球団関係者は「完全にうちが引き立て役だね」と圧倒的存在感に脱帽だ。
「昔、うちにいたイチローさんがそうだったように、こっちは何をしてもトップニュースは奪えない」としみじみ。
「一部で京セラドームのスピードガンが甘いんじゃないか、という声もあるが、結果として出したのは朗希なんやから。勝っても負けても勝敗がつかなくても、今日の話題の主役。これ一流選手の証やで」と語る。
こういう大阪の人のノリというか達観した感じというか、何かを超越している感じというか、好きです。
ただこれって試合に勝ったチームが言うこと笑
この試合は審判のストライクゾーン狭いな~と感じた場面がいくつかあったんですが、それで怒りによって165キロが出た、というファンの反応も面白かったです。
「ボールがえぐすぎて判定なんかできるかよ。全部ど真ん中に投げろ」とか、めちゃくちゃな意見も面白くて好き。