怪物クン

ロッテ・佐々木朗希投手のファンブログです

4月21日 対ホークス戦関連

 

吉井監督は佐々木朗希と上位チームとの対戦に、「狙いもありますし、たまたまっていうのもあります。でもWBCがなかったら開幕いってるんで、結局はそうなってたんでね」

「チームメートもすごく朗希には頼っていると思うんで。あいつが投げたらなんとかなるぞっていう気持ちになれば、またチームも前に進むのでいいと思います」

 

ウチが点数を取る前の4回表の投球、あそこでガッ!とレバーを上げた。英語でモメンタム(勢い)といいますけど、そういうゲームを動かす投手になっているんじゃないかと思った」

「あそこで野手陣も朗希がレバーを上げたと感じ取ったと思う。ダルビッシュもそういう投手なんで、僕が(日本ハムで)コーチだった頃は、思考停止して楽しみながら見ていられましたね」(両:吉井監督)

 

殊勲打の佐藤都志也も「朗希の4回の投球」が勝因だと強調している。

「初回から走者を出し、先に点を取られたら士気が下がってしまうところで、テンポよく、4回にいい投球をしてくれた。そこが流れを持ってこられた要因。先制できて、僕も楽になれたし、バッテリーとして助かった」

「これまで、スライダーは右打者にしか使ってなかったけど、左打者にも投げようと朗希と話したんです。スライダーはカウント球と勝負にいく球と2種類あって、去年より横の曲がりが大きくなりました。真っ直ぐとフォークにスライダーが加わると幅が広がるし、スライダーもあると相手打者の頭に入るだけでも違う」

 

代名詞は最速165キロの直球。先輩の西野は「大体のプロ投手はブルペンではスピードが出ないが、朗希は平気で出る」と舌を巻く。

不安があるとすれば、プロ入り以来指摘されているスタミナぐらいか。それを一度、佐々木朗希本人に聞いてみた。

「今年はオープン戦にそんなに投げていないので、体力的にも段階を踏めていなかった。WBCがあって、短いイニングが多かったしそこはこれから投げていって徐々に上げていきたいな、と思っています」

実に冷静な自己分析に、私は24勝をマークした2013年に取材した楽天・田中将を思い出した。佐々木朗希はいったい、どこまで進化し、成長し続けるのだろう。

 

強打者が相手でも冷静にスコアボードにゼロを並べた。「真っ直ぐの走りは良かった。しっかり頭を使いながら、いい攻めができたかなと思います」。

47球の真っ直ぐのうち、42球が160キロ超え。平均球速も161.1キロと今季初めて160キロオーバー。「余力は前回よりあった」と語るように、中6日で投げるプロの体ができてきた。「ピッチャーとしての耐性はついてきている」と胸を張った。

指揮官は「流れをガッと引き寄せる。レバーをガッと上げるような感じ。ダルビッシュなんかそういうことができる投手だったので、朗希もそういう投手になりつつあるのかなと。この先、どういう投手になるのか本当に楽しみ」と目を細めた。

 

4月22日ホークス2戦目内、実況 吉田伸男、解説 有藤通世

「なんだか有藤さん、昨日の佐々木朗希が投げた試合の、ゲーム展開とちょっと似てきました。マリーンズがゲーム中盤に3点取って、そして先発ピッチャーがホークス打線を抑え込んで、と」

「やっぱりああいう佐々木の投球スタイル、要するにバッターに立ち向かっていく姿勢というのは、ほかのピッチャーに勇気を与えるんじゃないでしょうかね」

「あ、そういうことですねえ」

「よし、おれも!という気持ちに誰しもなるでしょう、人間であれば」

 

ホークス監督は「前回の試合を見ても、追い込まれてのフォークはほぼボールだった。それを何とか見極める。1球でも球数を投げさせる。そういうことをやっていかないと攻略できない」「2番に近藤が入ってるんでね。(この日スタメンの)ふたりは同じように球を見られる。しつこくいかないとしょうがないもんね」

そんな中で7イニングを88球と少ない球数でねじ伏せた。3回に左前打を打った中村晃も「コントロールがすごくいいなと。細かいというよりはしっかりストライクゾーンで何とかしてくるので、四球もなかなか望めないと思っていた」と制球面の向上を挙げた。

 

WBCのように仲間と勝ち続ける――。ロッテ佐々木朗希投手が7回3安打8奪三振無失点で、開幕から無傷の3連勝を飾った。

3試合連続0封し、開幕からの連続無失点イニングを20イニングに伸ばした。3試合連続の2ケタ奪三振は逃したが、今季開幕カードで2試合完封負けを含む3連敗を喫した首位ソフトバンクに勝利。貯金3で、ゲーム差なしに迫った。

 

佐々木朗希がベンチから身を乗り出した。9回を託した益田がアウトを取るたびに大声で叫んだ。右腕を頭の上でグルグル回し、先輩を鼓舞。「勝てると思って見ていましたし、必死にチーム一丸となって勝てて良かった」。

切れ長の目をさらに細めて笑う。目尻に表れるしわは”朗希じわ”とファンにも呼ばれ、喜びや達成感の象徴だ。

吉井監督にとって、ソフトバンク戦の開幕2戦連続完封負けは、新監督史上初だった。相手の4番の栗原には小島と種市が1発を浴びた。佐々木朗希は「負けが込んだら、やっぱり嫌な印象がつきますし、相性だったりを忘れさせるくらい勢いをつくりたいと思って投げました」。

自分が打たれるわけにはいかなかった。

吉井監督やチームメートの思いを背負った使命感で、敵討ちした88球だった。

 

7回3安打無失点。160キロ超の速球でグイグイと押した。前回14日の登板から直球の割合は41.9%→53.4%に増えた。

状態はさらに上がり、今季初登板から3試合、20イニング連続で無失点だ。防御率0・00、勝利数3、奪三振30もリーグトップ。3冠右腕は「今日の勝ちはすごく大きい」と笑った。

「ピッチャーは試合の主導権を握っている。チームが勝つために自分がやるべきことをやるだけ」と目を輝かせた。

 

今季の佐々木朗希は死角がない。昨年までは制球が乱れたところをつけ込まれ、球数を使わされて5、6回で降板。結果的に試合を落とすこともあった。だが今年は制球が安定し、球数がかさむイニングが少ない。

この試合は3回44球を投げてちょっと多めかと思ったが、4回は12球、5回は9球。21球中、ストライクが17球。簡単に追い込んでアウトを取った。四球はアテにできないし、連打はさらに難しい。いい当たりをしているように見えても差し込まれ、打球が飛んでいかない。相手チームはお手上げではないか。

7回無失点で降板させたのは吉井監督が佐々木朗希を1年間、故障なくフル回転させたいと考えているからだろう。前回はオリックス・山本由伸との投げ合い、この日はソフトバンク。来週はまたオリックス。その翌週はソフトバンク。勝ちを計算できるエースとして佐々木朗希にV候補の両チームとのカードの頭を任せている。

5回無死一塁で3番・中村奨吾にバントを命じたのは佐々木朗希が投げる試合は何が何でも勝つというベンチのメッセージでもある。佐々木朗希がスーパーエースの道を歩み始めている。